もう、とっくにあなたに夢中です

諦めない

授業も終わり、帰りの仕度をしている時、

「美百合！今日、一緒に帰れない！」

「なんで？」

「野球部のマネージャーすることになったの！」　

「そうなんだ！分かった、部活頑張ってね。」

「うん！また、明日ね！」

ハァ…。とうとう下校は、1人で帰るのか〜。まぁ、しょうがない！
凛音は、部活だし！

下駄箱に行くと、美少年が立っていた。

誰か、待ってるのかな…。

美少年は、私を見た瞬間笑顔でこっちに向かってきた。

「先輩！帰り1人ですか？」

「そうだけど…。」

「俺と、一緒に帰りましょ！」
えっ…。なぜ…。

「ごめん。1人で帰るから。」

私は、そう言って素早く靴を履き替えて美少年を下駄箱に置き去りにした。

もう、関わらないって決めたんだから。

歩いていると、後ろから妙に視線が感じる。

誰かに後をつけられているような気がする。

後を振り返ると美少年が電柱に隠れているけれどバレバレだ。

私は、振り返って話しかけた。

「なにしてんの？」

「えっと…。その…。」

めちゃくちゃ困ってるし。
可哀想だし、一緒に帰るか。

「分かった。一緒に帰ろ？」

その瞬間、美少年は可愛らしい笑顔で頷いた。