猫の舌は甘いのか?~ラブレターは絶滅していません。~
1限目
「食べる?」
私は友人の上品に整った顔を振り返った。
その瞬間、教室にガタッと荒々しい音が響いた。私が椅子の背を抱くようにして、座面に跨がったせいだ。
少し、バランスを崩したのか手に持っていたプラスチックのケースから、小振りのお菓子がこぼれ落ちた。
丸いフォルムを活かして、彼女の机の上を走っていく。
ぼんやりそれを眺めていると、白い指が優雅にさらっていく。
顔をあげると、私の友人・もあが、お菓子をつまみ上げて、可笑しそうに笑っていた。そして、そのまま赤い口元へ引き寄せて食べてしまう。
「ごちそうさまでした。」
「御粗末さまでした。」
私は、頭を下げて、残りのお菓子を差し出しつつ、自分の口へも放り込む。
「春限定商品だね、このラング・ド・シャ。あ
パッケージが桜で可愛い。」
「さすが、もあ!お目が高い!
昨日からコンビニで限定発売なのだよー」
私ははしゃいで、チョコを柔らかなクッキーでサンドしたお菓子、ラング・ド・シャを頬張った。
「本当に、お菓子が好きなんだね。木葉(このは)。」
もあが、微笑んで私の名前を呼んだ。
もあは素敵な子だ。何時だって、私をからかったりしない。
口の中で懐かしいような甘さが広がった。
「猫の舌っていう意味だよ。」
私は友人の上品に整った顔を振り返った。
その瞬間、教室にガタッと荒々しい音が響いた。私が椅子の背を抱くようにして、座面に跨がったせいだ。
少し、バランスを崩したのか手に持っていたプラスチックのケースから、小振りのお菓子がこぼれ落ちた。
丸いフォルムを活かして、彼女の机の上を走っていく。
ぼんやりそれを眺めていると、白い指が優雅にさらっていく。
顔をあげると、私の友人・もあが、お菓子をつまみ上げて、可笑しそうに笑っていた。そして、そのまま赤い口元へ引き寄せて食べてしまう。
「ごちそうさまでした。」
「御粗末さまでした。」
私は、頭を下げて、残りのお菓子を差し出しつつ、自分の口へも放り込む。
「春限定商品だね、このラング・ド・シャ。あ
パッケージが桜で可愛い。」
「さすが、もあ!お目が高い!
昨日からコンビニで限定発売なのだよー」
私ははしゃいで、チョコを柔らかなクッキーでサンドしたお菓子、ラング・ド・シャを頬張った。
「本当に、お菓子が好きなんだね。木葉(このは)。」
もあが、微笑んで私の名前を呼んだ。
もあは素敵な子だ。何時だって、私をからかったりしない。
口の中で懐かしいような甘さが広がった。
「猫の舌っていう意味だよ。」