ねぇ、運命って信じる?
エピローグ
side恭護
姉・綾乃の結婚が決まってからというもの…なにかと俺にも見合い話が話題に上がることが増えた。…でも、美羽と再会した今はそんな気分になれない。
話を断り続けているうちに誰か付き合っている人がいるのではないか?と勘繰られるようになった。もう少ししてから話そうと思っていたけど、これはちょうどいい機会だと思う。ついに家族に美羽とのことや結婚を考えていることも打ち明けた。最初は驚いたようだが、話を聞くうち次第に納得してくれたようだった…家柄など問題が出てくるかと思いきや、美羽の写真を見せた途端に両親や祖父母までが賛成した。
実は中原家と美羽の母方の実家の藤咲家は昔から親交があったらしく驚くほどとんとん拍子に話が進んでいった。
なんでも…当時、住宅メーカー社長と家具職人として出会い、美羽の祖父の作る質の高い家具に一目惚れした俺の祖父が自宅でも使うほど気に入り、今でも家のあちこちに藤咲家具が置いてあるという…隠居した祖父達は今でもゴルフや囲碁仲間として交流が続いていて、祖父達がお見合いを勧めた相手が実は恭護と美羽だった。…美羽の写真を見た時に自分たちが勧めようとしていた見合いの相手だと気付いたらしく結果オーライとなり両家の祖父達は大喜びしたそうだ。
両家公認となった俺たちは今からいろいろと振り回されそうだ…それに今、美羽と巡り会わなかったとても…いつか絶対再会していたと思う。
もしかしたら祖父達の勧めた見合いだったかもしれないけど、それでもきっと…だって俺たちは運命だから。こんなこと考えるなんて相当キモいと思う…俺だって運命なんて信じてなかった…それでも美羽と再会したのはきっと運命。そんなこと考える俺は重症かもしれない。でも隣に彼女さえいてくれるならそれでもいい。