孤独な姫とカラスの瞳
口を開いたのは黒い髪の男だった。



「おい女、なぜこんなところにいる。」



「ここは城の地下あなた達こそ何のようですか?」



「俺に言い返すとはいい度胸だ。まぁ良い、俺達はレイヴン・アイズ、盗賊だ。悪いがこの城の宝はいただくぜ?」



「この城の宝?なんでこんな地下室に?」



「そんなことはどーだって良い。それより自分の心配をしたらどーだ?」



「自分の心配?」



「あぁ、俺達の盗みの現場を見たんだ。生かしておくわけにはいかないだろ?」



サラは一瞬驚いたがすぐある事に気が付いた。



自分が死んでも誰も悲しまないという事。



「殺す?どうやって?」



「そんなのこいつで」
 


ガチャッ


男の言葉と共に出された拳銃。



それを見てサラは笑った。



「それで撃たれたらすぐ死ねる?」



「あぁ、でもなぜ泣き叫ばない?たいていのやつはこうすると必死に命乞いするぜ?」



「もぉ死にたいと思ってたから。調度よかった。」



「チッ、やっぱやめた。だれがテメーみたいな奴の願い聞いてやるかよ。」



「はぁ?でも盗むとこ見たのよ?私が誰かに話したらどーするの?」



「それは困る。だからテメーも俺達と来い。」



「でも私なんかいたら迷惑になるし……。」



「女はいるだけで華やぐんだよ。」



「すでに綺麗な女性がいるじゃないですか。」



「こいつは別だ。」


別と言われ少し悲しそうな顔をする女。

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