孤独な姫とカラスの瞳
「こいつ連れて行って良いよな?」
「仕方ないですねぇ。特例ですよ。」
目を伏せながら答える深緑の髪の男。
「女の子と一緒だなんてドキドキするね!」
はしゃぐ赤髪の男
「顔も可愛いし楽しそう!」
微笑む銀髪の女
「取り敢えずみんな良いって言ってんだ、一緒に来い。こんな薄暗いところで居るよりいいと思うぜ?」
「それより宝は?」
話に割り込む赤髪。
「その事なんですけど、私この地下室にはよく来るけどそんなの一度も見たことあみませんよ?」
「宝そのへんに出しとくわけねーだろ?こーいうのは隠し扉とかあるんだよ。」
「隠し扉?そんな物見たことないです。」
「テメーはアホか、誰でも見つけられたら隠し扉じゃねーだろ?」
「確かに……。」
「こーゆーのはロキに任せときゃいいんだよ。」
そぉ言ってるうちにロキと言われた赤髪の男は壁を触っていた。
「あっ!キースさーんありましたよー!」
「よくやった。」
「でも、この扉くぼみに何かはめないといけないみたいです。」
「どれだ?」
キースと呼ばれた黒髪の男についていくと扉とその中心のくぼみが見えた。
「フェイクすぐできるか?」
「これ結構細かい彫りがあって良くて30分てところですかねぇ。」
くぼみをよく見ると見覚えのある形だった。
王がなくなる前私にくれたネックレス、それに付いている石とまったく同じ形だった。
「あのー、私この扉開けられるかもしれません。」
「力ずくじゃ開かねーぞ?」
「力ずくじゃなくてこのネックレスを使って、父が亡くなる前にくれた物なので。」
「借りていいか?」
キースにネックレスを渡す、彼がくぼみにはめ込むと地下室全体に眩い光の筋が走った。
「何これ!?」
扉を開けると沢山のドレスや靴、豪華な装飾品そして真ん中のテーブルの上の手紙。
愛しの娘サラ
この手紙を読んでいる頃私はもうこの世
にはいないのだろう。お前は私とお前の母イザベラの間にできた子だ。そのせいで周りからの扱いは酷かっただろう。勝手な父を許してくれ。しかし私はイザベラを愛しお前を愛した事を後悔していない。もともと体の弱かったイザベラはお前を産んだ後に亡くなった。その顔はとても幸せそだった。女の子が産まれたらめいいっぱいしゃれさせてあげるの。それが彼女の夢だった。だからこの部屋にある物はお前の好きにしなさい。
最後に、沢山の事を経験しなさい。悔いのない人生を。天国でイザベラと身守っている。
父アーサーより