××物語

「今だって。そうなんでしょ?」
「…だって、そうだろ」

真っ直ぐな優花の視線から逃げるように、俺は俯いた。

「俺が…俺があのシュートを決めてたら!俺があのシュートを失敗しなかったら、俺達は勝ってたんだ」

「みんな思ってるはずだ、俺の…「違うよ!!」」

優花は俺の言葉を掻き消すかのように声を張り上げた。


「…違うよ。みんなそんなこと、思ってない」

さっきの勢いはどこかへいってしまったようで、その声は少し小さかった。
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