××物語
「あっ、涼!ここにいたんだ」
突然、そんな声がしたかと思うと、
「…優花」
幼馴染でサッカー部マネージャーの優花だった。
「一人でこんなとこ閉じこもっちゃって。全くもう、探したんだよ?」
こいつはわかってないのか。
俺たちが負けたこと。俺のせいで、負けたこと。
「…お前には関係ないだろ」
そう返す俺の険のある声に優花は気づいたか気づかないのか、
「関係あるよ、マネージャーだもん」
いつも通りのテンポでそう言う。