【実録】平成・ばすが〜る物語
研修は回を重ねるたび、個人の色がついてきました。

所長はできる子、そうじゃない子と頭のなかに分類分けをしながら、
研修の様子を御覧になっていたようです。 

自分の理想とするガイド像に近い子はできる子。
だから仕事をどんどん与える。 

しかし、私はそうじゃない子だったんです。

まずは外見を注意されました。 

その日私は、ものもらいでコンタクトレンズが付けられず、
眼鏡をかけてトップにたちました。 

眼鏡姿のバスガイドなんて、みっともなぃと言われました。 

中身が伴わないことで、お叱りを受けるならともかく、
たまたま眼鏡をかけていたことをダメなポイントとして注意され、
仕事の範囲を狭められたことは悔しくてなりませんでした。 

どうしようもない屈辱感と苛立ち… 

会社では所長の言うとおりにすべてが動きました。 

案の定、私はダメガイドのグループに入ったんです。
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