【実録】平成・ばすが〜る物語
奇妙なエピソード

お客さん編

ここで奇妙・不思議・恐怖の体験(噂話)のあれこれをご紹介してまいります。 

まだ駆け出しの頃に、
もちろんまだまだ緊張の毎日で、
案内自体もテキストの棒読み状態〜 

分厚いテキストをトップ脇のサービスボックス(備品を収納している箇所)上に開いて、
お客さんの顔を見るよりテキストを睨みながらのご案内でした。 

休憩度にやっと一区切り〜とばかり、よほど疲れ切った表情をしていたのか、
そんな私を励ましてくださるように一人の御夫人が近づいて見えました。 

『ガイドさん、ご苦労さま〜握手をしましょう!』 

その方は私の右手を取り、ご自分の両手でやさしく、力強く、暖かく握り締めてくださいました。 

すぅ〜っと肩の力が抜けたような、楽な気持ちになり、引き続きコースを進めていきましたが、
途中から手のひらが妙に汗ばんできたような… 

スムス(手袋)で熱いのかな?

そぅ思いながらも順調にバスは、次の目的地に到着!
スムスを脱ぎ、手のひらを見ると、

《金粉》 

その後、いくら手を洗ってもまた浮き上がる… 

結果的に乗務は大成功に終わりました。 

今でも時折手首にまで金粉が…!

あの方はいったい…??
< 91 / 200 >

この作品をシェア

pagetop