ユートピアランド(短編)
〜気持ち ーFeelingー〜 菜乃花side
それからというもの。
私はなにも思い出せないでいた。
どのくらい月日が経ったのだろう。
あれから、周も智也も記憶のことは
言ってこなくなった。
だけど、わかったことがある。
生きているときに、
智也になにかを
伝えようとしていたこと。
だからわ智也のことを
覚えていたのだと。
しかし、何を伝えようとしていたのかは
思い出すことはできない。