ユートピアランド(短編)
「周って呼んでたじゃん、菜乃花ちゃん?」
「私が知りたいのは、そういうことじゃない!!」
もうわけがわからない。
なぜここにいる?
私は、この人のなに?
「相変わらずの性格だな。菜乃花」
後ろで知らない声がした。
だけど、どこかで聞いたことが
あるような声。
「…智也…?」
「え…」
この人のことなんて見たことない。
なのに、自然と言葉が出たんだ。
「菜乃花…俺のことわかって…?」