頑張らなくて良いんだよ
まぁ、それほど学の事思って、
信じてるのに……。


なんて、言うか、嫉妬しちゃうと言うか、
学は人気者だから、仕方無いけど、

でも、その……



「…ユ、…ねぇ、唯ってば」



そこには、座り込んで私を覗きこむ
学がいた。



「あっ、学」


「さっきから、おはようって言ってるのに
教室でぼーっとしてるなんて珍しいね。

あっ、僕のこと考えててくれたの?」



なっ、なんで……。



「どうしたの、あっ、図星ってやつ」


「そ、そんなわけないでしょ」


「そうなの。
でも、僕は唯のこと一日中考えてるよ」



あぁ、このふんわりとした笑顔。
可愛い、好き。


無意識に、学の頭を撫でていた。



「唯、僕の頭撫でるの、好きだよね。
そう言う、唯も好き」



顔が熱い!



「あっ、耳まで赤くなってる。
唯、可愛い!」


「もう、うるさい」



顔を手で覆うった。



「可愛い、唯、可愛い」



全く、学の、バカ。



「そこまでだ」



学の声より低く、良く通る声がした。

その人は、学の襟を掴んでいた。



「あれ、雪君、おはよう」



この人は、箕島 雪(ミシマ ユキ)

学とは、幼馴染み。

学の身長も183センチあって高身長だけど、
箕島君は、更に5センチ高い。



「お前は何処に油を売りに行ったと思えば
こんなとこに居やがって」


「だって、雪君の話長いんだもん」


「お前、一応、生徒会長だろ。
お前がサボると俺に仕事が回ってくるん
だよ」



さっきも言ったけど、学は、
お人好しで、生徒会長も誰もやる人が
居なかった為。

先生にお願いされ、やることになった。


そんな、幼馴染みを放って置けない
箕島君は、副会長になった。



「まぁ、まぁ、お詫びにお昼に
プリンとか甘いもの奢るから」


「そんなのじゃ、許さん。
駅前のドーナッツじゃないと許せない」


「あっ、じゃあ、帰りによって帰ろう」


「よし、分かれば良い」



箕島君って、難しそうな性格してそう
だけど、案外チョロい。

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