それはきっと37℃の
そんなわけで今、あたしは学校をサボって、海に来ていた。


なんとなく……、なんとなくだけど、足が自然と海へ向いていたから。

何を求めてここに来たのか、あたし自身、よく解らないままだけれど。


海岸沿いの道を、何を考えるでもなく、ぼんやりと歩いていた。

潮風が肌にまとわり付いてくる。




嫌だなって思う。

これ以上あたしに絡まってくるものが、増えていくことが。




嫌だなって思う。

こんなふうに毎日が、淡々と過ぎていくことが。




「暑い……」


照りつける午後の太陽と、焼けたアスファルトに挟まれて、世の中の不条理を感じる。


来るんじゃなかった――そんな思いが頭をよぎったとき、青い車が止まっているのが見えた。

四輪駆動車って言うのかな。

四角い感じの背の高い車。

たぶんそう。

年上の彼氏がいるクラスの女子が、自慢げに話していたやつと似ているから。
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