それはきっと37℃の
あたしの彼は車持ってるから、とか何とか言ってケータイで撮った写真を見せて回っていた。

ケータイの中の、車の前でポーズを決めている茶髪男は、イケメンだけど、どこかバカっぽいと思った。




「ずっと浮かれていれば? これで次の模試は順位がひとつ上がるよ」


そのコが去った後、残された女子の誰かがそう言った。

嘲笑うかのような声で。

さっきまで、「カッコイイ! いいなぁ、羨ましいよ~」とか言ってたのに。




怖いなって、改めて思う。




あたしの居ないところでは、あたしの悪口とか言っているんだろうな。

そう、きっと今が、そのときじゃないかな。


少し憂鬱な気分になりながら、そこから砂浜へと続く石の階段を下りていった。

その先に、車の持ち主だと思われる男の姿が見えたから。
< 4 / 17 >

この作品をシェア

pagetop