それはきっと37℃の
どれくらいの時間が過ぎただろう。

彼は突然言った。


「会社、サボった」


「へ?」


反射的に彼の方を向いて、あたしはマヌケな声を出した。


「会社をサボったんだよ。無断欠勤」


海を見つめたまま、彼が言う。


「それって、ダメなんじゃないの?」


「ダメだろうね。クビかも」


彼はそう言ってから、ようやくあたしの顔を見て笑った。


涙は、もう流れていなかった。




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