それはきっと37℃ののレビュー一覧

平均評価星数 ★★★★★ 5.0
★★★★★
2012/02/26 13:31
投稿者: つゆのあめ さん
恋しくなる、無性に。

生きること、息をすること、此処にいること。 すべてに逃げたくなる時がある。 つまらない人生だと嘆きたくなることもある。 そんな少女は学校をサボり、海に赴き、出逢うのです。   無断欠勤をしたリーマンに。 偶然という名の出逢いに巡り会うのです。 名前も知らない彼。 知らない彼と過ごす時間。 「それでも、きっと忘れないよ。今日、君と会ったことは」 これは海と体温とめぐり合わせの物語。 繊細な描写と、出てくる登場人物達、何気ない一こま。 すべて魅力的です。 是非、一読してみてください。 読み終えた時、無性に海が恋しくなります。

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★★★★★
2012/01/17 11:42
投稿者: さいマサ さん
また会う日まで

行き場のない思いを抱え出会った 見ず知らずの二人 熱い太陽の下 二人の言葉が交差する また会う日まで その日まで…

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★★★★★
2009/05/15 12:34
投稿者: 美夜子 さん
分からない、分からないよ

なんでここにいるのかも、 なんで生きてるのかも、 なんでこんなにつまらない人生なのかも、、 けど、そこには、海があって、ヒトがいて、熱があって。 圧倒的センスの垣間見えるタイトルに引き込まれて、 本文を読めば、めくるめく魅力に満ちた広く深い海のような作品です。 分からないところが分からなかった数学の問題が解けたような、、 そんな感覚に陥りました★

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★★★★★
2008/09/12 18:15
投稿者: ペンコ さん
それはきっと…

ほんのヒトコマの出来事。 偶然が必然にも思えて、運命かもしれないけど、淡くて消えてしまいそうで。 心に蓄えた不安や不満、もどかしさが、海を見ながらさりげなく交わりそうで交わらない。 宙ぶらりんの気持ちが、何だか心地好くすら思えて……。 読んでみて下さい。 ゆったりとした時間の合間に。

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★★★★★
2008/08/29 19:43
投稿者: 長田 知冬悠 さん
音が聞こえる

カジィコウさんの作品に共通して感じるのは「音」です。 文をたどっていると、まるでどこかから音が聞こえるよう。 例えばそれは、物静かな音だったり、小さなため息だったり。 もちろんこの作品からも、色々な音が聞こえてきます。 女性作家が記述したのではないかと錯覚するほどの、女性目線の文体。 けれど、女性が書くより幾分さっぱりしていて、とても心地よいのです。 強いようで弱い、カジィさんの作品の女性はみな、誰かを寄り添わせておいてあげたくなります。 息詰まってる人にはきっと、前向きな気持ちを貰える作品だと思います。 そして、無性に海が見たくなるでしょう。

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