鈍感な幼なじみにずっと恋をしています
いじめられ始めたのは、六月ごろ。
きっかけは本当に些細なこと。

舞はトランペットを小学校の頃から習っていたのもあって、とても上手だった。

先生からもよく誉められ、2年生を楽々抜かしていったことに、同じパートの人はあまりよくは思っていなかった。

そんなときの、夏のコンクール。
コンクールと言えば3年生にとっては部活動のなかで最大の頑張りどころ、また、大切な思い出にもなる貴重なものだ。

光谷中学校は A組出場することになっていて、定員は50名。

にたいして部員は68名。
3年生が26名
2年生が25名
1年生が17名

1年生の出る幕などないほど部員は多い。

1年生は出ないだろう。誰もがそう思っていた、もちろん舞も。

だが、舞はコンクールメンバーになったのだ。そう、2年生の先輩を差し置いて、舞が出ることになったのだ。

その2年生の先輩、名前は…そうだ、美波先輩。確かに美波先輩よりは舞の方が圧倒的にうまかったから実力的には皆問題ないと思った。

でも舞は先輩に出てほしい、輝く先輩を見ていたい。そんな気持ちから顧問の赤星 真梨菜先生に気持ちを伝えに行った。

赤星先生は、聞いてはくれなかった。
それはもうきまったこと、と耳を貸してもくれなかった。

仕方なくという言い方は変になるが、コンクールに出るのは舞、とパートでも決まった。
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