love square~四角関係なオトナ達~
⑤椅子とりゲーム
白く霞んだ朝。
いく兄ちゃんは、
「ヒマリの声も身体も気持ちも、全部もらったのはオレだから」
そう言って家まで送ってくれた。
その背中を追えなかった。
“まだ自分の気持ちがわからないの”なんて、そんな正直さをぶつけられっこない。
あたしはいく兄ちゃんに抱かれた、だからもういく兄ちゃんの…って。
なのに。
右手の薬指を見て悲しくなるのは、なぜ?
どうしようもなく恋しくなるキスの相手は…ううん。
いく兄ちゃんが言ってた。
「琉偉にとってヒマリは身代わりでしかない」って。
ねぇ、工藤…。
あたしはあなたの何?
誰の身代わりなの…?
いく兄ちゃんは、
「ヒマリの声も身体も気持ちも、全部もらったのはオレだから」
そう言って家まで送ってくれた。
その背中を追えなかった。
“まだ自分の気持ちがわからないの”なんて、そんな正直さをぶつけられっこない。
あたしはいく兄ちゃんに抱かれた、だからもういく兄ちゃんの…って。
なのに。
右手の薬指を見て悲しくなるのは、なぜ?
どうしようもなく恋しくなるキスの相手は…ううん。
いく兄ちゃんが言ってた。
「琉偉にとってヒマリは身代わりでしかない」って。
ねぇ、工藤…。
あたしはあなたの何?
誰の身代わりなの…?