love square~四角関係なオトナ達~
───………。


“おやすみなさい”


“おやすみ、姫葵さん”


───………。


「………!?」


目が覚めると部屋は真っ暗。


てゆーか、何時!?


急いですぐ脇に置いてあったバッグの中からスマホを取り出してパネルを見る。


3:24!!


工藤寝てるじゃないっ!


おやすみ言ってないのにっ!


あたしは慌ててそのバッグごと鍵を持つと宿舎へ急ぐ。


起きてるワケないけど、約束は約束、寝顔でもいいからおやすみを言いたい。


…おはよう、かもしれないケド。


宿舎前で乱れた呼吸を整えて、静かに鍵を回す。


入った部屋の中は真っ暗なのに、テレビの光だけがぼぅっと辺りを照らしていた。


ベッドの中でもいい、そっとおやすみだけを言って立ち去るつもりで…。
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