love square~四角関係なオトナ達~
「く…ど、う…?」


「何もしません。少しこのまま…いさせて…」


それきり聞こえるのは工藤の静かな寝息。


顔をずらしてテレビの前のテーブルに目をやると、電源の入ったパソコンがあった。


こんな時間まで仕事…?


スーツから着替えもしないで?


弁護士兼務の秘書って、そんなに忙しいのかな…。


事務所ではいつも黙々とパソコンの前で、畑のような肉体的な疲労はないのかもしれないれど、誰よりも朝が早くて夜も遅い。


加えて帆乃香さんのこともあって…だもんね。


あたしはそっと工藤の髪に触れてみる。


かすかにムスクの香りがして。


その心地よさに、あたしもゆっくりと瞼を閉じた。


規則正しいドキドキを味わいながら、工藤と同じ夢に辿れますように、そう願って眠りに落ちた───………。
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