love square~四角関係なオトナ達~
「まだ?」


「うん…もっと」


前髪をかき分けて、おでこにキス。


「もっと?」


「もっと…欲しい」


鎖骨に、服を少しだけめくってお腹に、足を辿ってつま先にキス。


「工藤…」


「琉偉、と。呼んでくれたらごほうびをさしあげます」


「焦らしちゃ…ヤ」


「では名前を」


「ル…イ…」


「聞こえません」


「琉偉…」


メガネの奥を優しくした琉偉は、あたしの唇に。


熱い舌であたしを掻き乱しながらありったけの気持ちをくれる。


「んっ…琉偉…」


互いに惹かれ合う唇は離れるのを嫌がって。


まるで磁石のようにいつまでも求め合う。


「琉偉…」


「姫葵さん…!」


やっぱり…やっぱりそうなんだ。


琉偉のキスはあたしの体の力を奪って。


心臓に電気が走るみたいな衝撃と、でもそれと同時に心地よいドキドキをくれる。


春流とのキスじゃ感じなかった。


いく兄ちゃんに抱かれても気持ちは置いてけぼりだった。
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