love square~四角関係なオトナ達~
信じる…?


あたし自身の気持ちを信じればいいの?


今まで琉偉がくれた指輪やキスを信じればいいの?


わかんない…わかんないよ…。


「そんなにたやすく疑ったり迷う気持ちなんて、真実じゃない」


こんなに脆く壊れてしまうあたしの“好き”は。


真実じゃ…ない…?


「オレはヒマリに真実をやれる。涙や悲しみじゃなく、本気を誓った未来をやれる。ヒマリにはわかるだろ?」


「いく…兄ちゃん…」


「オレから目を反らすな。離れていくな。ちゃんとオレを、オレだけを見ろよ」


何も見えない。


何もわからない。


さっき琉偉と重ねた唇の味はなくなって。


体中の熱がスッと消えていく。


「いく兄ちゃん…。あたし、寒い…」


「全部温めてやるよ。気持ちも体も」


いく兄ちゃんと重なる肌。


琉偉が消えていくならそれでかまわない。


泣きながら何度も何度も激しく突き動かされるあたしのカラダ。


いく兄ちゃんとシーツをわし掴んで、与えられる快楽だけに全てを委ねる。


「アッ…いく兄ちゃん…!もうダメ…!」


「一緒にイクぞ…!」


「…ン…ッ!」


右半身の傷に痛みだけを感じて、あたしは意識を手放した───………。
< 180 / 240 >

この作品をシェア

pagetop