love square~四角関係なオトナ達~
「ごめんね、いく兄ちゃん…」


「オレにできることは、何だってするさ」


「あたし、甘えてばっかりで…」


「今に始まったことじゃねぇだろ?ヒマリは昔から泣き虫の甘えん坊だ。それより、どうする?社長、今日だろ?入院」


「うん…」


きっと入院先への病院には琉偉が送って行く。


会いたくないけど、ちゃんとパパを見送りたい。


「オレが見送り、一緒について行くか?」


「いいの?」


「いいさ。いつだってヒマリの傍にはオレがいる」


「うん…」


いく兄ちゃんの気遣いが嬉しい反面、その優しさが辛くもある。


あたしの心はまだいく兄ちゃんだけに染まってはくれなくて。


それが心苦しく、もどかしい。


「さ、できた。行くか」


「うん」


服を整えていく兄ちゃんと駐車場へ行くと、車に荷物を詰め込んでるパパと、それを手伝ってる琉偉と春流がいた。
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