love square~四角関係なオトナ達~
迎えた朝は、とても静かだった。


じっと見つめていた赤いランプが消えて、手術が終わったことを知らせる夜明け。


「先生…」


次々と病院のスタッフがオペ室から出てきて、台に乗った春流が姿を見せる。


「春流…!」


いく兄ちゃんの手を振り払い、真っ白な布に覆われた春流に駆け寄る。


「春流…?」


「関係者の方ですね。話はあちらで」


「あたし…春流と一緒にいたい…」


「彼はICUで必要な処置を引き続き。こちらへどうぞ」


春流に付き添うことは許されず、別室で先生の話を聞くことになった。
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