love square~四角関係なオトナ達~
「コウノ ヒマリさん、ですね?」


「───ッ!?」


ストー…カー…?


「河野 姫葵さん、間違いないですかと聞いてるのですが」


ベランダ下の交差点を行き交う車のテールランプを見ながら苛立ち気味の男の声に、頷いて見せた。


「昨年春、およそ1年前ですね。私立の大学を卒業されたのに職にも就かずアルバイトもせず、毎日エステにショッピング。3人の恋人と日替わりデート、毎月クレジットカードの限度額90万円を使い果たし豪遊三昧の、河野 姫葵、23歳」


何、この人…。


随分ムカつく死神じゃない。


「あ…」


「部屋の動産は、処分させていただきました。家具、衣類諸々締めて284万円は、全てこちらで管理しますので」


「はぁッ!?」


「社長の命ですので。では、参りましょう」
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