空色の君へ。〜最後に1度だけ、君の名前を呼ばせてください~
きっとそれが同級生との壁の原因の1つなのだろうとはわかっていても、癖とはすぐになおってくれないものだ。


「綾崎さん?やっぱり、嫌かな。」


「え、い、嫌じゃないです!」


「嫌じゃないって言いながらそれ敬語だけど?」


「あ…っ」


「ふっいいよ、ゆっくりで。少しずつ慣れて?」


「う、うん…!」


上条くんはニコっと笑うと、腕時計をみて『そろそろ行かないとかな』と言ってまた坂を登り始めた。


さっきまでの反省を生かしてできるだけ上条くんの様子をみながら歩いたけど、


幸いにして坂の終わりがすぐに見え始めたため何事もなく登り切ることができた。
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