空色の君へ。〜最後に1度だけ、君の名前を呼ばせてください~
…なんでわたしがこんな時間まで残っていたかって?
そんなの、簡単だ。
先生に、雑用を頼まれていたから。
高校2年生が始まってもう2ヶ月もたつというのに、友達と呼べるひとが1人もできず
見た目もメガネにおさげという、いわゆる"地味子"なわたしに
先生はこんな仕事を頼みやすいらしい。
「はあ…。」
ひとりでにでてきた長い溜め息は、
薄暗い廊下に嫌なくらいに響き渡った。