空色の君へ。〜最後に1度だけ、君の名前を呼ばせてください~
「よーし、授業の準備してるとこ悪いけど最初に席替えすっぞー」


ガラガラと教室のドアを開けて入ってきた途端、先生が言い放った。


「はー?まじかよ今?」


「この席気に入ってたのにー!」


様々な声が教室を飛び交う。


「くじ引き作ったからどんどんひいてけ~誰からでもいいぞ~」


先生が、やる気のなさそうな声で呼びかける。


「紗夜ちゃん!一緒にひきに行こう?近くになれるといいね」


「わわ、詩帆ちゃん!うん、なれるといいなあ」


いつの間にか隣に来ていた詩帆ちゃんに連れられるようにして、教卓の前に向かう。
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