空色の君へ。〜最後に1度だけ、君の名前を呼ばせてください~

…家に帰ったらすぐ、ご飯作らないと…


仕事でいつも遅いお父さんと小学生の妹と三人で暮らす私は、家事全般を1人でこなさなきゃいけない。


もちろん学業との両立で大変なことも多いけど、


病院でたくさんの命を救うお父さんは私の自慢だし、いつもお姉ちゃんお姉ちゃんと甘えてくる妹はすっごく可愛いくて、


大好きな2人のためなら、いつでもなんだってできる気がしてくるんだ。


今日は何を作ろうかなあ。


そんなことを考えながら下駄箱で靴を履き替え、外に出ようとすると…


…ポタポタ…

ザアーーーッッ


突然、さっきまで晴れていたとは思えないような雨が降り出した。


「嘘でしょ…。」


朝家を出るときはいい天気だったし、傘なんていつも持ち歩いてないよ…
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