空色の君へ。〜最後に1度だけ、君の名前を呼ばせてください~
先生のその声に、みんながぞろぞろと新しい席につき始める。


『うちらも座るか』と言って、詩帆ちゃんも自分の荷物を取りに行ってから私のななめ前の席に腰をおろした。


可愛く変身なんて、どういうことなんだろう。


そういうのって、もともとの素材がよくないとだめなんじゃ…


マイナス思考だけが頭にわいてくる。


チラッとななめ前をみると、

詩帆ちゃんが授業そっちのけで『どーやって可愛くしようかな~?』なんていいながらニヤニヤしている。


それをみて、さっき以上に焦る私。


『やっぱり紗夜ちゃんには無理だった…』って詩帆ちゃんに呆れられたりしたらどうしよう?


せっかく友達になれたのに、それが原因で不仲になったりして…!?


そ、それは絶対に嫌だ!
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