空色の君へ。〜最後に1度だけ、君の名前を呼ばせてください~
「…ごめん、なんでもないの!行こっか!」


そう言って、伏せていた顔を勢いよくあげながら歩きはじめる。


『今から行く場所はね、人がほとんど来なくて1人になりたい時にすごくいいんだよ。』

続けてそう言いながら笑った詩帆ちゃんは、どこか寂しそうで。


何か言わないととわかっていても、今の私には何も言うことができなかった。


「ついた!ここだよ。」


その言葉に顔をあげると、気付けば人が全くいない階段の下まで来ていた。
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