空色の君へ。〜最後に1度だけ、君の名前を呼ばせてください~
「ほんとに、誰もいないんだね。」

階段を登った先にある踊り場には、どこかの部活で使ったであろう勧誘のビラや何かの木片など、もう使わないようなものが山積みになっている。


「この上はね、天体観測?のために作られた部屋があるらしいんだけど、もう誰も使ってないんだって。」


「へえー、でもなんでこんなに人が来ないの?」


「それはね、ここにはあれがでるって噂だから。」


「…あれって…?」


「わからない?幽霊に決まって「わああああ言わないで!」


詩帆ちゃんの言葉を遮りながら慌てて耳を塞ぐ。
< 37 / 39 >

この作品をシェア

pagetop