空色の君へ。〜最後に1度だけ、君の名前を呼ばせてください~
その包み込むような優しい笑顔に、胸がドキッとする。
上条くんを見たまま動けなくなっていると、
『風邪ひいたら大変だし』と、またまた優しい言葉をかけてくれていた。
「ぁ…わ、わたしは大丈夫です!だから気にしないでください…」
我に帰り慌てて断ると、上条くんは少し考えるようにして傘を差し出していた手をひっこめた。
その行動に、ホッと胸を撫で下ろす。