天才怪盗が拾った少女
そうこうしてるうちに、犯行予告の5分前。
俺は今財閥の家の屋根の上に立ってる。
庭には何台ものパトカー。
だが、家には入らせてもらえてないらしい。
「……残念だったな」
そう思うと、笑みがこぼれた。
結局俺に敵うものはいねぇ。
なにがラビットだ。
俺の前に現れることもできねぇじゃねーか。
そんなやつを敵だなんて思ってた俺がバカだった。
「よし、行くか」
『乱魔、落ち着いて行動しろよ』
無線機で聞こえる空海の声。
んなことわかってらぁ。
乱魔らしいショーを見せてやる。
さあ、ショータイムの始まりだ!
俺はどうにか建物の中に侵入することに成功した。
「どこが侵入が難しいんだよ……」
『お前はバカか?』
うるせぇ。
俺の呟きにいちいち反応すんなよ。
すんなり入れたのも空海がなんか手を施したんだろ?
それくらいわかるっつーの。
『金庫までそのまままっすぐだ』
「了解」
俺は指示された通り、まっすぐ廊下を進む。
なんか薄暗い。
足元もよく見えねぇ……
──コツン……
歩いているとなにかに足をぶつけた。
「なんだこれ」
俺は不思議に思い、それを拾い上げた。
すると──