天才怪盗が拾った少女



「乱魔ぁ!」


「は!?どういうことだよ!」



急に電気がつき、前後に警官が。


どうなってんだよ、これ!


さっきまで誰もいなかったじゃねぇか!



「今回は遅刻しなかったようですね」



人混みの中から聞きたくない声がした。



その声がするほうを見る。



「ラビット………!」



正確にはラビットの代理人。



「今回は逃がしませんからね」



どうする………


このままだとあっさり捕まるぞ……


なんとしてでも脱出しねぇと…………



『落ち着け、乱魔』



ナイスタイミングと言わんばかりに空海の声がした。



『焦りは禁物だ。お前もよくわかってんだろ。いいか、時間を稼げ。5分後、照明を落とす。その間にネックレスのある部屋に行け』



はぁ?


こんな状況で盗んでこいってか?



『いいな?』



断る気しかなかったが、声だけで空海がイラついてることがわかった。



鬼が。


なに考えてんだよ!


俺が人のこと言える立場じゃねぇけど!


俺のわがままのせいでこうなってんだから文句の言いようもねぇけど!


だからって盗んでこいって……



鬼だろ!



この……



「……悪魔が」



『あ゛?』



しまった……


声に出しちまった……



『乱魔。おとなしく捕まれ』



なぁー!


ド怒りじゃねーか!


いや、俺がいけねぇんだけど!


マジ、捕まるのだけは勘弁!



すると、急に電気が切れた。



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