天才怪盗が拾った少女
チャンス!
空海、やることはやってんじゃねーか!
言うまでもなく、警察もラビットも慌てている。
俺を捕まえようなんざ100年早いだよ、バーカ。
俺には最強の仲間がいんだから。
仕方ねぇ。
ネックレス、盗みにいくか。
俺はその場から金庫のある部屋に向かった。
──カチャ……
部屋を開けると目の前には金庫がある。
「でけぇ……」
想像してた以上にでかい。
「あー!やっと来たぁ」
ん?
なんだよ、今の子供っぽい声。
ここに子供が……
「なんでっ……!?」
声がしたと思うほうを、部屋の隅を見ると、少女がいた。
それも、見覚えのある。
白いシャツに黒のチェックに黒のパーカー。
茶色の髪に左目らへんに黒のリボンの髪飾り。
おまけに黒の肩掛けカバン。
「どういうことだ……」
というか、声……………
「いろいろ知りたいって顔をしてるな。乱魔よ」
さっきの声とは全然違う。
まるで、老婆のような……
それに、口調だって……
「お前がおとなしく捕まってくれるなら話してやってもいいぞ?」
まだなにもわかってねぇのに、こいつは勝ち誇ったような顔をしている。