天才怪盗が拾った少女
俺の言葉を聞いて、驚くSと、ため息をつく空海。
だが、こんな反応くらい予想済みだ。
「今なら見つかると思うんだ。お前らなら、ぜってぇ見つけられっから。だから、頼む」
俺は頭を下げて必死に頼んだ。
実際、ここまでしなくても2人ならやってくれる。
わかってるけど、ここまでしねーと俺の気がすまない。
俺はただなにもせず、情報が集まるのを待つだけ。
そんなの、なんか違うんだよな。
「「はぁ…………」」
今度は2人そろってため息。
「ありがとな」
俺は思いっきり笑顔で言った。
俺が探してる人物。
それは───
俺の父親と妹を殺した犯人。
2人が殺されたのは14年前。
俺が9歳のときだった。
今でもはっきり覚えてる。
家に帰ったら、リビングで妹の咲が血を流して倒れてた。
そんときはなにが起こってるのか俺の頭じゃ理解できなかった。