天才怪盗が拾った少女
乱魔ももう終わる。
長かったような、短かったような。
でも、楽しかった。
ちゃんと罪を償ったあとは海と滋とは普通の友達に戻れるかな……
ってか、戻りたい。
そのためにも、今俺がやるべきことを最後までやりきらねーと。
未練があったら意味ねぇし。
「乱魔」
「ん?」
「俺、お前とこういうことできて楽しかった。最後まで気抜かずにやり遂げような」
嬉しいこと言ってくれるじゃねーか。
でもなぁ……
空海が言うと……
「気持ち悪い」
「うっせぇ」
あれ……
怒んねぇ。
どういう風の吹き回しだ?
なんかあったのか……?
「はやくしねぇと、俺、柏木殺しそうなんだよ」
……なるほど。
なんとも納得のいく理由だこと。
今はセーブできてんのな。
いつまで我慢できるか見もの……
ではあるが、そこは俺も同感。
3人でお互いにフォローし合えるうちに終わらせねぇと、俺らがそろいにそろって殺人を犯す。
さっさとケリつけねぇとな。
「お前の化けの皮を剥いでやる──」