天才怪盗が拾った少女
「今日はなんの用だ」
おー、コワ。
そんな睨むなよ。
「なにって、自首しにきたに決まってんだろ。もう、俺の目的は果たされたしな」
「目的……?」
「それは雪兎とか三崎に聞いてよ。知ってるはずだから」
「!?」
……あんた、さっきから驚いてしかないけど。
「とにかく、俺はもう乱魔を辞めんの。だから、捕まえてよ」
「……わかった」
住吉はそう言って俺の両手に手錠をかけた。
って、ここが警察だろ?
手錠、いる?
「来い」
住吉は俺の腕を引っ張る。
……やりたかっただけなんだな。
さぞ悔しいことだろう。
こうやって自首されて。
自分の手で捕まえたかっただろうに──
こうして、俺は取り調べを受けて、刑務所行き。
いったい何年ここにいるんだろうか──