天才怪盗が拾った少女
最終章
俺が刑務所を出られたのは1年後。
意外と短くって。
俺でも驚いてる。
「さぁて、これから──……」
どーすっかなぁって言おうとしたんだよ。
刑務所出た瞬間に。
そしたらさ、なんか見覚えあるやつらが目の前にいるんだわ。
4人も。
「なんで!?」
海と滋はもちろん。
んで、雪兎と三崎。
どういう組み合わせだよ、これ。
「やっとだったねぇ、一弥」
からかうように言ってくる滋。
うわー、1年ってデカいな。
超懐かしく感じる。
「ったく、遅いんだよ、バカ」
うん、声も懐かしいんだ。
でもな、この態度は嫌だ。
だって…………
「いつまであたしを待たせるんだ」
もう1人似たやつがいるから。
……勘弁してよ。
「お帰りなさい、一弥さん」
うおっ。
ここで普通の対応!
マジか、雪兎!
ちょっと心のオアシスだわ!
「ただいま!」