樫の木の恋(上)
秀吉殿が顔を真っ赤にしながら、下を向いて話してくる。
「不安だったのは…本当じゃ…。半兵衛が気を使ってくれてることくらい頭では分かっていたのじゃが。どうしても女としての魅力がないんじゃないかと…不安じゃった。」
恥ずかしがりながら話すその様は、思わず顔が赤くなるほどに可愛らしかった。
そんな秀吉殿を連れ、布団へと座らせる。
そしてそれから強く口付けをしてから話始めた。
「魅力が無いわけないではありませぬか。」
「じゃが…」
「それがしは秀吉殿を」
抱きたかったと言ってしまったら、秀吉殿が抱かせなかった事を後ろめたく思ってしまいかねない。
しかしなんて言ったら秀吉殿は傷つかずに済むのだろうか。
「半兵衛…?」
「本当は、いつも秀吉殿の大きな胸を触りたかったのです。」
「なっ…!」
これなら秀吉殿は後ろめたく思う前に恥ずかしさでそれどころではなくなるだろう。その考えは当たっていた。
「半兵衛の変態…!助平!」
「いけませぬか?」
そう問い掛けながら秀吉殿を腕で囲い、おでこをつける。顔を真っ赤にしながら逃げられず目をそらす秀吉殿。