樫の木の恋(上)


「秀吉殿、顔を隠さないでください。」

「む、無理!」

ゆっくりと枕を取り上げる。真っ赤に顔を染めあげ、涙目でこちらを見上げる秀吉殿を見て、さすがに抑えていた理性が吹っ飛びそうになった。
さすがにまずい。
これ以上そんな顔を見せられたら、抑えられる訳がない。

そう思い胸から手を離し、秀吉殿の横に寝転び強く抱き締めた。

「は、半兵衛…?私は…大丈夫じゃぞ?」

いきなり止めた自分を不思議に思ったのだろう。抱き締められながら顔を上げ不思議そうに見つめてくる。

「それがしが…駄目なのです…。」

「えっ…や、やはり私では…」

「ふふっ違いますよ。ただこれ以上してしまったら、もう抑えられる気がしなくて…。秀吉殿が嫌だと言っても止められる自信が無いのです…。」

ぎゅっと秀吉殿を胸に抱き締める。きっと顔を真っ赤にしている。しかし今それを見ただけでも襲いたくなる。

「だ、大丈夫だから…!」

「えっ…?」

「半兵衛は…怖くないし、嫌なわけ…ないから。」

「しかしそれがしは止められませんよ?」

そう言うと秀吉殿がそれがしの頭を己に引き寄せ、秀吉殿の方から口付けをしてきた。

「半兵衛…好き。」

「愛してます秀吉殿。」

「ふふ…だから平気。続けて…くれんか?」

見上げながらそう静かに言う秀吉殿を仰向けにし、体を起こして上から秀吉殿を見下ろす。

「もう…止められませんよ?」

「か、構わ…んっ!」

言い終わる前に口付けをし、秀吉殿の口を塞ぐ。

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