未知の世界4
はぁ、10時まであと30分。
渋々マンションを出た。
今日まで疲れが取れずにきたから、あんまりいい結果が出そうにないことは自分でよくわかった。
病院に到着して、いつもの待合室で順番を待つ。
こういう普段のことも含めて、現実に戻ってきたかと思うと、数日前の新婚旅行は幻に思える。
『佐藤さ~ん、佐藤さ~ん!』
と看護師さんの呼ぶ声が聞こえる。
『佐藤さ~ん、佐藤かなさ~ん!』
あっ!!!私だっ!
私、佐藤かなになったんだ!!!
「は、はいっ!」
慌てて返事をして、小走りで診察室に向かった。