未知の世界4
どのくらい長いこと診てたのか。






私は疲れて知らない間に寝てしまっていた。






服も下げられ、目が覚めたときには、お父さんはいなかった。






どうだったんだろ、心音。






そのことも気になったけど、それ以上にお腹が空いて、私はリビングに行った。







ガチャ







「お、かな、起きたな。」






幸治さんが一番に気付いてくれた。






リビングの時計を見ると、お父さんの診察から30分も経っていなかった。






「ごめんね、私が朝から来ちゃったから、今日は疲れちゃったわね。」






お母さんが言う。







「そんなことありません。






お父さんの診察を受けてたら、気付いたら寝てました・・・・・・。」






「おかげで寝てるときの音も聞けたよ。」






寝てるとき?






って、お父さんってもしかして、音を聞いて、自分の耳で心電図のように聞いてるんだ。






だからあんなに静かにゆっくり聴診するだね。






アメリカで研究しているだけある・・・・・・。







なんて扉の前で考えてると、






「じゃあ、飯にしよう。」






そう幸治さんが言う。






そして皆でリビングでご飯を食べた。






その夜、お父さんとお母さんは、寝室意外にまだ余っている部屋で泊まり、私たちは寝室で寝た。





やっぱり私は疲れていた。






幸治さんと何も絡むことなく、「おやすみなさい」というと、寝てしまった。
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