未知の世界4
家に帰ると後すこしで日が替わりそうになっていた。
帰りにコンビニで食べれそうなおにぎりやサラダを幸治さんが買ってきてくれた。
疲れて食べる気がしないけど、病院で幸治さんに研修は続けるって言ったからには、無理してでも食べないと・・・・・・。
そんな意地から久しぶりに大人一人分の食事を胃に入れた。
幸治さんは『無理するな』って言ったけど、無理してでも食べないと、入院になったら研修が・・・・・・。
まだ小児科以外での研修もあるのに。
だけど無理したせいで、やっぱり戻してしまう。
「はぁ~」
トイレで一人ため息をつく。
「だから言ったろ?」
振り向くと、幸治さんがドアに体を預けて、腕を組んで私を見下ろしてる。
なんかムカツク。
私はトイレの水を流して、幸治さんを横切り、洗面所へ。
口をゆすいで、ぐったりした体のまま寝室に向かう。
「おい。かな!
薬飲んでないし、吸入もまだだぞ。」
あ、そうだった。
黙ってリビングに置いた薬の袋を開ける。
え、こんなにあるの?
何?この薬・・・・・・。
処方せんに目を通すと、喘息、心臓、胃に負担のかからないようにする薬、吐き気止めまである・・・・・・。
それらを少しずつ水で流し込む。
水だけでお腹が膨れそう。
吐き気止めって、ご飯前に飲むんじゃ・・・・・・。
そして次は吸入。
今日はもう勘弁して欲しい。
目の前に私の様子を見ている幸治さん。
何かあったらいけないから、一人ではやらないように言われてる。
となると、幸治さんのいない日はやらなくていいんだ。
よしっ。
なんて考えながら、スイッチを入れる。
「ゲホっ!!!ゲホゲホゲホゲホ。」
案の定、むせてうまく吸入ができない。
でも、発作は出なかった。
吸入が終わると、フラフラしながら寝室へ。
後ろかろ幸治さんが離れて着いてきていることは分かったけど、ベッドに倒れ込むようにして私は夢の中に落ちていった。