未知の世界4
「かなちゃん、昨日の当直中に喘息の発作が出たんだって?
それから貧血でフラフラしてたって。
そのあとに石川先生が診察してくれたみたいだね。
あんまり良くないから、早めに健診結果を知りたいって、石川先生から連絡受けたんだよ。
それから、かなちゃんがオッケーなら、その健診結果を石川先生も知りたいって。」
そんなぁ・・・・・・。いつの間に・・・・・・。
「かな?昨日そんなことがあったのか?
今朝は何も言ってなかっただろ?」
幸治さんに再び尋問される。
「だって、言えば当直やらせてもらえなくなると思ったから・・・・・・。」
「はぁ。
最近の健診の結果も、ちゃんと言わないし。
一人で抱えてたら、いつかぶっ倒れるぞ!」
なんでこんなに頑張ってるのに、ひどい言われようなの・・・・・・。
少し緊張が揺るいだせいか、涙が頬を伝っていた。
「とりあえず、明日は健診だな。」
「そうだね、佐藤くんもお休みだし。
さ、買ってきてお寿司食べようか?」
そういって二人は席についた。
「かなも、立ってないで早くこい。」
そう幸治さんに言われ、席についたものの、食欲ゼロ。
「ちゃんと食べろよ。」
と二人に見られる。
涙を拭いて、口に卵を入れたものの、飲み込めない。
それだけ食欲を失っていた。