未知の世界4
「検査結果は今朝見てもらったとおり、正直このままではもう心臓がもちそうにないんだ。」
分かってたこと・・・・・・。
それでも進藤先生の口から改めて聞くと、
それが本当に起きてることなんだって認識する。
だけど、それが自分のこととは思いたくない、
そう思ってしまう。
「かなちゃんの心臓は、小さい。
だから、移植手術を受けるとなると、果たしてどのくらいの大きさの心臓が適切なのか、はっきり分からない。
心臓の移植手術だけでなくても、どんな臓器でも移植後、患者さんの体に合うかどうかは、手術後にしか分からないものだけどね。
もしかしたら、移植手術は大人でなく子供のものになることもある。」
えっ!?
子供?
子供の心臓を待てって?
そんなこと医者の私にはできないよ・・・・・・。
「移植手術以外には・・・・・・?」
恐る恐る進藤先生の方に目をやる。
先生の目は見れないけど。
「もう一度、前回同様に手術をする必要がある。
だけどもし、その手術では何ともならない場合、移植手術になるけど、
そんな体力が今のかなちゃんには、到底ないんだ。」
それは私が一番よく知ってる。
そういう自分が知ってることを、他の人に改めて言われるのも辛いものがある。
「次のかなちゃんの心臓のオペには、
アメリカにいる佐藤先生ではなく・・・・・・、
ここにいる石川先生と幸治くんが執刀することになる。」
え?石川先生?
私、きっと今、戸惑いを隠せてないと思う。
だって、石川先生って、
「石川先生はね、アメリカからみえた医師なんだよ。」
えっ!?