未知の世界4
「石川先生はね、アメリカにいる佐藤先生と何回も難易度の高い、小児の心臓手術を成功させてきているんだ。
今回日本に来ることになったのも、佐藤先生から君のことを聞いてなんだよ。」
何それ・・・・・・。
私の知らないところでいろんな話が進んでる。
私のことなのに、私が知らないなんて。
なんで幸治さんも教えてくれなかったの?
なんで?
「かなちゃん・・・・・・?
ここまで話したけど、大丈夫かな?」
「・・・・・・。」
大丈夫なんかじゃない。
カピカピに乾いていたはずの目から、再び涙がこぼれ落ちた。
どこからこんなに涙が出てくるんだろ。
「これからのこと、考えて欲しい。」
そう言って少しすると、進藤先生と石川先生は部屋から出て行った。