未知の世界4

心臓移植…





まだ決まったことでもないけど、いつかはしなくてはならないのかと思うと、不安になる。






私の心臓がまともになれば、これからこんな苦労はいらないのかも知れない。




進藤先生の言葉を、心の中で繰り返していた。





心臓を提供した子供の分まで生きる。








カタッ






気づくとお昼ご飯が運ばれて来た。




目の前に置かれた食事を見つめる。





医者でありながら、まともな食事を摂らずに、薬も摂らずに、休息も取らずに過ごしてきた多忙の日々…







なんで私、医者なのに自分の健康管理もできないんだろ…。



いつも、自分の体の弱さを認めることができない。






そんな自分が嫌で、皆んなと同じような生活をしてた。










それが毎度祟って、自分の体を苦しめてるんだろうな。






……せっかく幸治さんからいただいた、人生を。






やり直すチャンスを…、





自らダメにしてる……?





それは分かってる。





分かってるんだけど、行動できないだよね。




手術は、怖い……。













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