未知の世界4
いつも見ている白い天井。
もしかしたら、これが私の見る最後の映像となるのか…
手術まで一時間。
刻一刻と迫る手術に、不安も募る。
これで目が覚めなかったら…。
そう思うと涙が止まらない。
ダメ…泣いたらダメ。
「怖いか?」
気づくと幸治さんが部屋にいた。
コクリと、うなづく。
布団に隠れた私の左手を、幸治さんは両手で包む。
「大丈夫。俺に任せろ。
かなはただひたすら、これからやりたいことを考えてろ。」
真っ直ぐ、迷いのない瞳を私に向けてくる。
私の瞳は、自分でも感じるほど小刻みに揺れてる。
ギュッ
その顔を見てなのか、幸治さんに力強く抱き締められた。
うん。
幸治さんだから、私の全てを預けられる。
言う通りにしてれば、絶対に成功する。
だって、私の最愛の人なんだもん。